がんと診断がついた当初、多くの患者同様に中村先生も
「俺は何か悪いことをしたのだろうか」
「俺は生きている価値がないのだろうか」
と考えたけれども、その後、周りの人の温かい言葉により「病気を治す」気持ちが高まってきたことから、「勇気の湧く言葉かけ」の重要性を説き、「主治医の意志が言葉になる」ことを話しました。
地域の基幹病院に勤務する医師として、多くの死を診てきた中村先生は、死そのものへの恐怖はなかったものの、友人・家族の事を考えるようになって「死にたくない」という気持ちが強まったそうです。
「「苦痛」は「今」のこと、「不安」は「将来」のこと--「不安」の方が辛い」と話しました。
身体的苦痛のみでなく精神的・社会的・スピリチュアルな痛みが相互に影響しあって患者の痛みを形成するという「Total Pain(全人的な痛み)」という概念に触れました。
学生との質疑応答が白熱したので、講義は30分以上延長しました。
医学生に「患者の痛みのわかる医師になってほしい」というメッセージを強く感じました。
自らががん経験者であり、多くのがん患者を診てきた中村先生の講義は、医学生はもちろん一般の方にも聴いてほしいと思いました。
以上、もえぞうの報告でした。
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