4月27日(金)午前9時から午後5時まで、秋田県総合保健事業団(秋田市)で、国立がん研究センターによる「地域がん登録標準システム集約研修」が実施されました。
地域がん登録事業で収集されたデータは、一定のルールにより一腫瘍一登録(いちしゅよういちとうろく)に集約されます。
一定のルールというのは、例えば、一人に複数のがんがあったと診断された場合、
- はじめのがんは登録するけれど、転移したがんは登録しない。
- 両側臓器の左右に別々に診断された場合、乳房ではそれぞれを登録し、卵巣だと単一として登録する。
など専門的です。
秋田県が昨年度導入した標準システムは、届出された登録票の内容を入力すると自動で集約処理をしますが、人の身体は様々で、ある程度自動処理できない内容が含まれることが一般的です。それに対しては、人が判断して集約しなければなりません。
研修では、講師の国立がん研究センター地域がん登録室室長の松田智大先生(上の写真右)と診療実態調査室室長の柴田亜希子先生(上の写真左)から集約作業手順の確認と判断根拠の説明を受けました。
実務を担当する秋田県総合保健事業団の職員(下の写真)は真剣な面持ちで聴講していました。
がんの罹患という個人情報を扱うのでプライバシー確保のために、登録室には部外者の立ち入りが制限されています。なので、一般の人は登録の現場を直に目にすることは、まずありません。
人目にふれないからこそ、私は秋田県の地域がん登録が、このような地道な作業の積み重ねにより支えられていることを、ぜひ多くの人に知ってもらいたいと思います。
秋田県の登録精度が評価されて、6月8日(金)の地域がん登録全国協議会学術集会シンポジウムで秋田県の登録精度向上についての発表が予定されています。
「精度の高さ」は登録室や医療機関など地域がん登録に関係するオール秋田の成果です。
秋田県では、このように国立がん研究センターと連携し、更に正確な登録を目指しています。
以上、もえぞうの報告でした。