「第3回大仙仙北地域・緩和ケア市民公開講座『安心』、『いのち』を考える」
を聴講しました。
暑い中、たくさんの人が会場大仙市大曲市民会館に集まり、この地域で設置を検討している緩和ケア病床への関心の高さを実感しました。
第一部は岩手県立中部病院 地域医療科・緩和医療科長の星野彰さんによる基調講演「がん医療における緩和ケア」でした。
冒頭「感謝」からはじまった講演は、がんの基礎知識から北上市での緩和ケアの実践まで、広い内容をユーモアを交えながら楽しく、そして真剣に講演していただきました。
多くの人が治る時代になったとはいえ、「がん」と診断され、それを告知されたときの本人の心の動揺は甚大であることに触れ、身体の痛みが無くとも、告知の時から心と痛みを取り除く「緩和ケア」がはじまることを紹介いただきました。
北上市のがん患者の在宅死割合は10年前は約5%程度でしたが、行政や地域の取り組みで最近は20%を越え、更にここ数年は緩和ケア病棟という選択肢が加わったことを紹介しました。
そして、緩和ケア病棟は、家(生活)と病院(医療)の中間に位置づけ、双方をつなぐものと位置づけるべき、と教えてくれました。
秋田でも、地域ぐるみでこういう体制をつくっていきたいと思いました。第二部は復元納棺師の笹原留似子さんからの特別講演「いのち」と向き合うこと」でした。
納棺師は、映画『おくりびと』によって広く知られるようになりましたが、事故や災害などで傷ついた遺体を生前の姿に重ね合わせて復元する復元納棺師は全国でも珍しく、笹原さんは東日本大震災後、被災地で遺体を復元するボランティア活動を続けて300人以上を復元しました。
上のスライドの笹原さんが描いたイラストも、復元により穏やかな表情になった女の子です。
かわいいイラストなので、エピソードを聞くと余計に、悲しくなります。
「死はいずれ誰にでもやってきます。死との向き合い方を知っておくことは、生を知ることでもある。」と笹原さんはその著書「おもかげ復元師」の中で述べています。
「がん」という病気を通じて、自分や周りがどのように生きるべきか、多くの人に考えて考えてもらえれば、緩和ケアに限らず、いろいろな体制が充実していくのだろうと感じました。
以上「もえぞう」の報告でした。
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