23年度のブログはこちら

http://akitaken-gantaisaku.blogspot.jp/


25年度のブログはこちら

http://akitagantaisaku2013.blogspot.jp/

2012年9月21日金曜日

第14回緩和ケア教室「がんにかかるとなぜ痛くなるのか?」

平成24年9月20日(木)13時30分~14時30分、市立秋田総合病院にて、「がんにかかるとなぜ痛くなるのか?」をテーマに第14回緩和ケア教室(今年度2回目)が開催されました。
今回の講師は、市立秋田総合病院緩和ケアチーム・麻酔科の重臣宗伯先生です。

がん細胞の増殖、転移、浸潤によって、原発の臓器、転移先の臓器、周辺の組織や神経が圧迫されたり障害されるために様々な痛みが生じます。それらの痛みについて、ひとつひとつ詳しい説明がありました。
・管腔臓器(胃、腸、胆道、尿管など)を塞いでしまう
・実質臓器(肝臓、腎臓など)内部で増殖する
・増殖したがん細胞が血管やリンパを塞ぐ
・神経への圧迫や浸潤による痛み
・骨転移による痛み
・関連痛-体表の痛覚過敏
このようにがんによって様々な痛みが生じることを知り、がんはつくづく大変な病気だと思い知らされました。

約1時間、参加した皆様も熱心に聴講していました。

次回の緩和ケア教室は、平成24年11月15日(木)「リンパ浮腫のケア(仮)」についてです。
事前の予約は不要で、どなたでも参加できます。興味のある方は是非参加してみてください。
※時間:13時30分~14時30分(受付:13時~)、場所:市立秋田総合病院 2階講堂

以上、おまの報告でした。

2012年9月10日月曜日

秋田県在宅緩和ケア推進連絡協議会

9月3日(月)18:00~20:00、県庁舎会議室において、秋田県在宅緩和ケア推進連絡協議会を開催しました。

この連絡協議会は、地域における在宅緩和ケアに関する連携の推進を図るため、昨年の3月にスタートした会議で、病院、診療所、薬局、訪問看護ステーション、がん経験者などの関係者12名がメンバーです。

今回は、今年度の県のがん対策と国の新がん対策推進基本計画の緩和ケア部分を中心に説明した後、次期秋田県がん対策推進計画(骨子案)の在宅も含めた緩和ケア部分について意見等を伺いました。

この中で、「国の基本計画では、在宅緩和ケアを拠点病院が担うという記述になっているが、現状ではむしろ医師会が中心的役割を担うべきでないか」、「在宅緩和ケアというときには福祉施設のケアをサポートするという考え方も必要になってくるのでは」といった意見等が示されました。

また、前回(3月に)意見交換した「在宅医療が進まない理由」をもとに、現状認識や対応策について更に議論を深めました。

委員からは「看護師は在宅を経験すると気づくことがたくさんある。在宅看護を経験する機会を増やすことが必要」、「在宅で大変だったら、また、何かあったらスムーズに入院できる連携体制がほしい」、「在宅緩和ケアを受けてよかったという情報発信はとても大事」など多くの意見が出されました。


ある委員から「医療、看護と福祉、介護の共通言語が必要」との発言には思わず頷かされるとともに、在宅緩和ケアの推進には地域の様々な関係者との顔の見える関係づくりを進めることの大切さを痛感させられました。

在宅緩和ケアについては、医療従事者側の意識の課題、患者・家族側の意識の課題、地域の連携体制の課題などがたくさんあることに、あらためて気づかされた会議でした。(以上、ネコヤンでした。)

肝がん撲滅~秋田県肝疾患診療ネットワーク連絡会議~

8月29日(水)18時~20時、県庁舎会議室において、秋田県肝疾患診療連携ネットワーク連絡会議を開催しました。

この連絡会議は、秋田県肝疾患診療連携拠点病院(市立秋田総合病院と秋大医学部附属病院)と県内に14ある専門医療機関(参照)の担当医が一堂に会し、情報共有や課題について協議を行うものです。

協議では、専門医療機関がない2次医療圏のかかりつけ医との連携強化や、地域で相談窓口の要となる市町村保健師(コーディネーター)の養成、昨年12月に助成対象となった3剤併用療法の現状把握に関することなど、専門的な観点から活発な議論が交わされました。

肝疾患対策は、肝炎対策基本法の施行(H22年1月)、肝炎医療費助成制度の拡充(H22年度)、ペグインターフェロン治療やテラプレビルを含む3剤併用療法が助成対象に(H23年度)とめぐるましく変化しています。

こうした中で、関係者が一丸となって対策に当たるためにも、こうした会議で本県の課題や現状を共有することは、とても重要なことだと感じました。

また、「最新の医療が秋田県のいろいろな地域でスムーズに実施できるよう「チーム肝臓あきた」という感じで連携を深めていきたい」という出席者の言葉が印象に残った会議でした。(以上、くうの報告でした。)

2012年9月5日水曜日

聴講 「お腹の病気のこと あれこれ」

9月2日(日)10:00~13:30、由利本荘市文化交流会館カダーレにて、日本消化器病学会東北支部の主催による市民公開講座を聴講してきました。

残暑が続き、とても暑い日でしたが、会場には多くの方が詰めかけており、ギリギリに到着した私は、1階に入れず2階席から聴講させていただきました。
前半、本荘第一病院外科の鈴木先生から「がんの話 あれこれ」、放射線科の松平先生からは「画像による診断とIVR」という演題でお話がありました。

また、後半は、消化器科の小松先生から「内視鏡による診断と治療」、外科の柴田先生から「がん手術と抗がん剤治療」という演題で、それぞれとても分かりやすく、ユーモアに富んだお話を聞くことができました。

4人の先生の講演の後は、質問コーナーが設けられ、会場からの質問にひとつひとつ丁寧に答えていました。「がんを確実に予防する食べ物を教えて」という質問に、柴田先生が「そういう食べものがあれば是非知りたい」と答える一幕もあり、会場は大爆笑。予定の時間を大きくオーバーしましたが、参加者は熱心に話に耳を傾けていました。

がんとの戦い方もかつてとは大きく変わりました。もはや早期発見すればがんは怖いものではありません。このようなかたちで地域住民の方々に、がんやがん医療に関する正しい情報を伝えたり、知らせたりする取組は大変重要だなあと、あらためて思いました。

こうした取組が「がんになっても安心して暮らせる地域社会づくり」の第1歩なんですね。参加してよかった市民公開講座でした。(以上、ネコヤンでした。)


2012年9月4日火曜日

聴講「がんと緩和ケア」

9月1日(土)13:30~17:00、仙北組合総合病院の主催による
「第3回大仙仙北地域・緩和ケア市民公開講座『安心』、『いのち』を考える」
を聴講しました。

暑い中、たくさんの人が会場大仙市大曲市民会館に集まり、この地域で設置を検討している緩和ケア病床への関心の高さを実感しました。
第一部は岩手県立中部病院 地域医療科・緩和医療科長の星野彰さんによる基調講演「がん医療における緩和ケア」でした。
冒頭「感謝」からはじまった講演は、がんの基礎知識から北上市での緩和ケアの実践まで、広い内容をユーモアを交えながら楽しく、そして真剣に講演していただきました。

多くの人が治る時代になったとはいえ、「がん」と診断され、それを告知されたときの本人の心の動揺は甚大であることに触れ、身体の痛みが無くとも、告知の時から心と痛みを取り除く「緩和ケア」がはじまることを紹介いただきました。
北上市のがん患者の在宅死割合は10年前は約5%程度でしたが、行政や地域の取り組みで最近は20%を越え、更にここ数年は緩和ケア病棟という選択肢が加わったことを紹介しました。
そして、緩和ケア病棟は、家(生活)と病院(医療)の中間に位置づけ、双方をつなぐものと位置づけるべき、と教えてくれました。
秋田でも、地域ぐるみでこういう体制をつくっていきたいと思いました。


第二部は復元納棺師の笹原留似子さんからの特別講演「いのち」と向き合うこと」でした。
納棺師は、映画『おくりびと』によって広く知られるようになりましたが、事故や災害などで傷ついた遺体を生前の姿に重ね合わせて復元する復元納棺師は全国でも珍しく、笹原さんは東日本大震災後、被災地で遺体を復元するボランティア活動を続けて300人以上を復元しました。
上のスライドの笹原さんが描いたイラストも、復元により穏やかな表情になった女の子です。
かわいいイラストなので、エピソードを聞くと余計に、悲しくなります。

「死はいずれ誰にでもやってきます。死との向き合い方を知っておくことは、生を知ることでもある。」と笹原さんはその著書「おもかげ復元師」の中で述べています。
「がん」という病気を通じて、自分や周りがどのように生きるべきか、多くの人に考えて考えてもらえれば、緩和ケアに限らず、いろいろな体制が充実していくのだろうと感じました。

以上「もえぞう」の報告でした。