フォーラムのはじめに、女優の仁科亜希子さんから自らの子宮頸がんの体験に基づく講演がありました。
仁科亜希子さん |
仁科さんは38歳で子宮頸がんが見つかってから21年経つそうです。とても元気で、素敵だな~と思いましたが、これまで、薬の副作用で一時髪の毛が全て抜けてしまったこと、手術で子宮、卵巣、リンパ腺を摘出してから、リンパ浮腫で足のむくみ、尿意がなくなったことなど自身の闘病と後遺症について、赤裸々にお話していただきました。
自分の排泄の話は恥ずかしいものですが、一生懸命に参加者に自身のがん経験を伝えようとする仁科さんから、並々ならぬ熱意を感じました。
続いて英国スコットランド出身で日本赤十字北海道看護大准教授シャロン・ハンリーさんからは、英国の事例を中心に子宮頸がん予防についての講演がありました。
シャロンハンリーさん |
参考)秋田県でのがん予防授業
http://24akitaken-gantaisaku.blogspot.jp/2012/07/blog-post_11.html
英国の啓発実例として「Arm Against Cervical Cancer(私の腕で子宮頸がんから守ります)」というキャッチフレーズの紹介があり、「Arm」に、ワクチン接種を受ける「腕」としての意味と、子宮頸がんと戦う「武器」という意味を掛け合わせているとの説明がありました。
パネルディスカッションは、講師のお二人に加えて、秋田赤十字病院の大山則昭 先生、由利組合総合病院の軽部彰宏 先生、当がん対策室長の金子が加わり、参加者の質問に回答しながら、それぞれの立場からコメントしました。
仁科さんは、検診や予防接種は痛いという話になったとき、
「進行したがんの治療に伴う痛みに比べたら、検診や注射の痛みは、ないに等しいくらい軽い。痛いなんて言ってないで、ぜひ受けて!」と訴えていました。
経験者の真剣なコメントにパネリストも思わず、微笑みながら大きくうなずいていました。
シャロンさんは、「私は独身、これからの素敵なイベントのためにワクチンは接種した。さらにワクチンでは防ぐことのできないタイプのウイルスもあるので検診を定期的に受診している。実は、こういうことを、この講演会に来ていない関心の薄い女性や男性にも、ぜひ伝えたい!」と訴えました。(確かに出席者はほとんど女性でした。)また、「子宮頸がんがみつかるピーク年齢は35歳で、妊婦検診時に、「がん」と「子どもを産めない」というダブルの告知を受ける事例をいくつも見てきた」と話したときのシャロンさんの悲しそうな表情が印象的でした。
子宮頸がんの原因ヒトパピローマウイルスは性交渉によって感染し、多くの女性が一生に一度は感染するといわれるほどありふれています。
性交渉が関与している以上、男性も内容を知らないといけない!私たちがん対策室は知ってもらうように事業展開しないといけない!と思いました。
以上、もえぞうの報告でした。